その人の心意気

2019.10.26


うちのかあちゃんこと妻朋美は、出会った時から芝居がかっていた。
そのかあちゃんが、しきりに誘う芝居の世界。


結婚して9年を迎える今まで、一度も芝居の誘いに乗ったことがない。
芝居やミュージカルの良さはよくわからないタイプだ。
普通は、断るのだが、今回は少々違っていた。


松本白鸚のラマンチャの男
パンフレットにこのように書いてあった。


「夢とは、夢を叶えようとする、その人の心意気だ」

この言葉を聞くなり、心のどこかで鐘が鳴り響いた。

はじめ、なんとも妙な世界と思いつつ観続けていると
芝居の中の現実と狂気の世界が交差しているのに気がついた。
だが、この狂気がまともに見えてくるのは不思議だ。


 一番憎むべき狂気とは、
 あるがままの人生に、ただ折り合いをつけてしまって、
 あるべき姿のために戦わないことだ


これは、私たちの状況に似ている。

健康な頃は、現実に重きを置いていたものが、徐々に妙な習慣や
症状や病気、狂気と重なる。
そしてそれが、真実であるように折り合いをつける。
それが、憎むべき狂気であると言っているアロンソ・キハーナことドンキホーテ。


この男、ドンキホーテはこの狂気と戦っているのなら、非情なほどまともなのは彼の方だろう。

この言葉と符合して思うところは同じだ。

「夢とは、夢を叶えようとする、その人の心意気だ」

松本白鸚「ラマンチャの男」に感謝!誘ってくれたかあちゃんにも感謝!

 

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